2017年3月の梨生産体験レポート
石川県加賀市で梨生産を体験する、まるかじりコースとひとかじりコース。2017年3月の体験コースでは梨の木の剪定を行いました。梨の木の剪定って何のためにするの?どんな作業なの?そんな色々をレポートいたします。
奥谷梨生産組合へ
体験先は石川県加賀市にある奥谷梨生産組合さん。現地に着くと右も左も一面の梨の木!目の前いっぱいに広がるこの梨畑では「豊水」「幸水」「愛甘水」などの品種が育てれられています。広さ32ヘクタール程のこの梨畑に約1万5000本?の梨の木が植えられていて、石川県一の出荷量を誇るそうです。出荷先は京阪神中心なので、みなさんも加賀産の梨を一度は食べたことがあるかもしれませんね。
「剪定」ってなに?
3月の体験で行うのは「剪定」、梨の木の枝を切っていく作業です。余分な枝を切ることで日当たりを良くし、美味しい梨が出来そうな枝を残して他の余分な枝を切ることで、1つの実により養分が行き届くようにしていきます。ただこの剪定作業、実はとても難しい作業。どの枝に美味しい梨ができるのか?それを見極め、更に2年後、3年後のことまで考えながら切る枝を判断する必要があるため、知識や経験、技術が必要なのです。なので通常は体験させてもらえない作業なのですが、今回しばらく使っていなかった梨畑の一画を再生するということで、その場所の剪定を特別にさせていただきました
まずは準備から
梨農園に着いたらまずは作業の準備です。ジャンパーと作業用ズボン、長靴、手袋をこちらで用意しているので、それに着替えます。マスクや帽子が必要な方はお持ちくださいね。女性の方は日焼け止めがあると良いかもしれません。そして枝を切るのに必要な道具、ノコギリと剪定バサミを身につけます。それぞれベルトで腰に巻きつけたら、準備は完了!さっそく剪定していきます。
剪定の方法
今回は、どの枝を切るか、あらかじめ農家さんが目印をつけてくださいました。その目印のついた枝を太い枝はノコギリ、細い枝は剪定バサミと使い分けて切っていきます。剪定のポイントは、枝のできるだけ根元で切ること。枝が残っているとその部分にも養分が行ってしまうので、できるだけ不要な部分は残さない方が良いそうです。そして切った後には「トップジンMペースト」という保護剤を塗っていきます。これを切り口に塗ることで、病気の感染や枯れ込みを防止します。
切った後の枝も無駄にはしません
切った後の枝はどうするかというと、まず梨の木の間の道に1メートルくらいの幅で枝を集めていきます。この時太い枝はここから取り除いて木の根元に集め、これらは後で燃やします。道に集めた枝は粉砕機でこまかなチップにします。そうすることでその枝でできた木材チップが肥料になって、梨の木の養分になっていくのです。良い循環ですね。
作業を分担して進めていきます
そのような切る作業、保護剤を塗る作業、切った枝を集める作業をみんなで分担して、どんどん進めていきます。はじめはノコギリの使い方も慣れず、太い枝を切るのに苦労する姿もありましたが、やっていくうちに段々作業にも慣れてスピードも上がっていきました!枝を切る作業は腕を上に上げる作業で、切った枝を集めるのは下を向いてする作業なので、時間ごとに役割分担を変えて、腕や首の疲れを少しでも楽にできるように工夫しています。
この日の作業は朝の9時〜夕方4時まで。お昼ご飯は奥谷梨生産組合さんの選果場の一画をお借りして、みんなでお弁当を食べました。普段あまり体を動かさない人にとっては少し疲れる作業かもしれませんが、大阪とは違った広い景色と自然の中で体を動かして果物を作るというのは、気持ちの良いものです。それに作業の後に食べるご飯や飲み物がすごく美味しく感じられますよ。
3月は剪定の作業でしたが、どのような作業の体験をするかは月ごとに変わります。その時期ごとの梨生産作業を行うので、気になる方はお問い合わせくださいね。